優は勇と違い一人暮らしが長く、お金についても、いろいろ経験を積んできた。

リアルな世界でもネットの世界でも友達がたくさんいて、いろいろなアドバイスをもらえる。

優は大学の卒業の時に少し嫌な思いをしたことがある。

優は有名女子大に通っていて、卒業時に皆で旅行に行くという話になったのだが、
お決まりのようにみなでヨーロッパ旅行(イタリア→フランス→ドイツ)で行く気になれず一人だけ辞退した。

その時仲間内で、「貧乏」だの「わがまま」だの「協調性に欠ける」だのいろいろ言われた。

社会人になり少しお金に余裕もできたので、いつでも行けそうなところではなく、
今でしか行けない、とんでもないところに行って、とんでもない経験をしたかった。

結婚して子供ができれば、行くところも限られる。お金も自由にできるときもどれだけあるか・・・

 

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そこで優の“いましかできない”リストを作成した。

  1. 南極探検
  2. ゴリラトレッキングツアー
  3. 無人島体験
  4. オーロラ体験
  5. スカイダイビング体験(例1例2)



いまから始める趣味のスカイスポーツ

 

勇に相談したらヨーロッパに行くべきだ、ととってもむかつく答え。
そういうところが彼を本当に好きになれないところかもしれない。

“冒険心の欠如”だ。私は“協調性の欠如”どちらも何かが欠如している。

大学からの親友の一人、桃木 友子との話し合いの結果、
予算・期間・興味から2つに絞り込んだ。
2人はヨーロッパ組からあえて外れた。

『人付き合いで人生を台無しにしたくない』と、思うところが似ていたことから一緒に行動することが多かった。
友子は健康的で夏や海の似合う強い女子だ。
モデル級とまでは行かないまでもスタイルが良く、なによりも賢く、学校の成績も抜群だった。

 

2人の選択はスカイダイビングか無人島ダイビング。
どちらもダイブするのだが、海と空ではかなり違う。

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しかし、お金がきつい。

2人とも学生のころから飲食系のバイトでかなり稼いだ。
友子はクラブでも働いていたのでなんと200万円の貯金がある。(気がする。)
私は5万円程度だ・・・。
友子はすべてを使っても経験をしたい。
生きていることを実感したいという。
親には内緒で行くらしい。
なんとも強い女性だ。
私は無人島ダイビングに行きたいのだが、値段からいってこちらが高い。
でもどうしても行きたい気持ちが強く緑のカードを握りしめていた。

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優はまた緑山の店に話をしに行く。
赤池優

マスター、マスターは海外旅行にいっぱい行っているんでしょ。どんなところが良かった?借金しても行く価値があるかしら?

緑山
経験を積むことは若いうちにすべきことの中で一番大事なこと。だれも知らないようなこと、だれもしていない体験を探して積極的に積んでいくんだ。優はもっと強くなれるよ。お金を借りてでも、時間を見つけたらなんでもやってみなさい

赤池優
ありがとう。マスターはいつも前向きで素敵!勇はヨーロッパでいいじゃん、て感じでなんか薄っぺらで、いつも普通が一番なんだよね。むかつく。

緑山
ははは。勇くんは固い男だな。でもそんな男の方が結婚相手にはむいているかもしれんぞ。

赤池優
あれマスターって独身なの?お子さんは?

優は緑山が何となく悲しい顔をしたのを見逃さなかった。緑山は他の客の注文を取りに行き優のいるカウンターに戻ってきた。

緑山

・・・・ところでもう決めたのか?スカイかオーシャンか?おれはどっちも経験済みだ。まずはおそれず飛び込むことが重要かな?なんでもね。あはは・・

赤池優
さっきはまずいこと聞いたかな?とりあえず空にいこうかと思うよ。また来るね。

緑山は後ろ向きに頭の上で手を横に振り、いやいやと言っていた。

優はモバイルを真剣に覗き込みお金の検討モードにはいった。

赤池優

よしこれならなんとかいける。

優はシミュレーションをしながら頷いていた。お金は大切だ。でも今いかないといけないところやいまやらなければならないことがあるときはお金を借りてでも実行に移す。そんな人生を送りたい、と確信しながら、コーヒーを飲みほした。

黒宮

お嬢さん、上着がおちているわよ。。

すこし怖そうなおばさんが声をかけてきた。この人はそういえば、熱心なマスターのファンで、いつもこの喫茶店に通っている黒宮のおばさんだ!!

赤池優

すいませ~ん。モバイルに熱中してしまっていて。。

黒宮
あらあら、近頃の若い人はいつも画面ばかり覗き込んで、上を見ないから素敵な人が通っても気付かないのよ・・・おほほほ マスタ~ いつものコーヒーを一つおねが~い。

優は相変わらずいやな感じのおばさんだと思いながらも、

赤池優

そうかもしれませんね。。

と調子を合わせた。

黒宮

マスターのコーヒーの味を楽しみに来てるのなら、モバイルなんかしてないでよくコーヒーを味わいなさい。私なんて携帯持ってこないのよ。ここには。

優はこのおばさん携帯とか言っているけど、これスマホなんだけど・・と思ったのだが、逆らわず、愛想笑いをして、なんとかやり過ごした。

この黒宮が優のやっかいな相手になろうとはその時は気付かなかった。

 

 

今しかできない?

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